ほんとに久しぶりの更新です。
実験の小箱としてお役にたてられるかも?の情報をお知らせします。
KOD-FXでPCRしたテンプレートを、そのままシーケンシング(BigDye3.1)すると、うまく配列を読んでくれない、という悩みは、あちこち(主に多細胞生物)から聞こえていたので、
うちだけではないのか~と、でも、解決はできないのか~と、もんもんとしていたのですが、
このたび、なんとなく解決できたうちのプロトコルを紹介します。
1)各生物にあった条件通り、KOD-FXでPCRする
2)PCR後のテンプレートを5~10、もしくは20倍程度に希釈する。
3)希釈したテンプレートをExo-SAP(もしくはillustra ExoProStar)で、プロトコルどおりにインキュベートする。
4)3)をシーケンス用テンプレートとして使って、あとは、BigDye3.1のプロトコルどおりにサイクルシーケンスする。
という感じです。
うちの扱っているサンプルでは、この方法で95%くらい解決しました。
KOD-FXでPCRしたテンプレートは、そのままだとなぜシーケンシング失敗率が高いのか、の理由については、
あ)PCR効率があがる(=PCR産物がたくさんできる)ので、テンプレートをシーケンス用に適切な濃度にする必要がある
い)KOD-FXの粘性の高いバッファーが、ExoもしくはBigDye3.1の邪魔をしている。
なんじゃないかと推測しています。
あ)については、BigDye3.1のマニュアルにも「テンプレートの濃度はちゃんとしてね」と書いてますが(そしてその場合のピークパターンの例も紹介されている)、経験的には、KOD-FXの場合はどうもテンプレートの濃度が濃すぎるだけの理由ではないようなので、プライマーを非活性化させる段階から希釈してやってみたら、あたり~な感じでした。
他の方は、PCR後にエタ沈するとか、TOYOBO推奨の精製キット(MagExtractorTM-PCR& Gel Clean up-)を使うとか試行錯誤されているようです。
けど、とにかくうちは簡単に(安く)できないものかと思って、希釈という方法にたどりつきました。
それに、他の試薬を使うと、さらになんの相性が悪いのかわかんなくなりそうなので・・・。
成功率が95%は、低い?
たぶん・・・、個々の濃度に合わせて希釈をしていけば、シーケンスの成功率は上がるのではないかと思います。
うちはめんどくさかったので、アガロースで濃度確認して、まーこんなもんかーと毎回一律で、5倍とか、10倍とか、20倍希釈でやったのが原因ではないかと思っています。
結局こりずに・・・、またそういうてきとうなことを・・・やってます、すいません~。
^^;)
火曜日, 8月 20
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